家の強さは、見えない部分で決まります。役所の審査を通ることと地震に強いことは同じではありません。Reafが全棟で行う許容応力度計算の意味と、基礎・間取り・費用との関係を、10回に分けて書いた連載を1本にまとめました。
この記事の内容
- 第1回:おしゃれなデザインの前に。家族の命を守る「見えない構造」の本当の話
- 第2回:衝撃の事実。「役所の審査をクリア=地震に絶対安心」ではありません!
- 第3回:家族を守る「許容応力度計算」というお守り
- 第4回:「夢の間取り」を安全に叶えるための魔法の計算
- 第5回:家を根底から支える「基礎」。コンクリートを流すだけじゃダメなんです
- 第6回:見えなくなる部分だからこそ。業者任せにしない「設計士の責任」
- 第7回:構造計算をやる絶大なメリット
- 第8回:「構造計算をして頑丈にすると家が高くなる」はウソ!?
- 第9回:無駄を省いて強くなる!Reafの「美しくて強い」間取りのルール
- 第10回:大切な家族がずっと安心して暮らせる家を。見えない部分に込める想い
- 4月から建築確認申請が大幅法改正
第1回:おしゃれなデザインの前に。家族の命を守る「見えない構造」の本当の話
こんにちは!新潟県見附市の株式会社Reaf(リーフ)です。 マイホームの計画、本当にワクワクしますよね!「広いリビングにしたい」「おしゃれなアイランドキッチンを入れたい」と夢が膨らむと思います。
しかし、私たちReafが家づくりにおいて「デザインや間取りの前に、絶対に妥協してほしくない一番大切なこと」があります。 それは、完成すると壁や床の中に隠れて見えなくなってしまう「構造(建物の骨組み)」です。
どんなにおしゃれで家事動線が良い家でも、万が一の巨大地震や、見附の重い雪が降ったときに「家族の命を守れない家」であっては絶対にいけません。家は、ご家族の命と一生の財産を守るための「最強のシェルター」でなければならないのです。
今回から全10回にわたり、「なぜ構造がお客様にとって超・重要なのか」をお伝えしていきます。絶対に知っておいて損はない「家づくりの真実」です。ぜひ最後までお付き合いください!
第2回:衝撃の事実。「役所の審査をクリア=地震に絶対安心」ではありません!
実は、ここには家づくりの大きな落とし穴があります。 現在の日本の2階建て木造住宅の多くは、「仕様規定」という簡易的な最低限のルールだけで建てられています。 この簡易ルールでは、壁の量などは確認されますが、驚くべきことに以下の部分は「細かく計算しなくても良い」ことになっています。
・ご家族が毎日歩く床を支える「梁(はり)の太さ」 ・家全体を根底から支える「基礎の鉄筋の量」
信じられないかもしれませんが、「役所の審査に通った」「保険の検査に通った」からといって、家全体の安全性が細部まで証明されたわけではないのです。本当に大切なご家族を守るためには、この「最低基準」だけでは不十分だと私たちは考えています。
第3回:家族を守る「許容応力度計算」というお守り
その答えが、Reafが全棟で実施している「許容応力度計算(きょようおうりょくどけいさん)」です。 少し難しい名前ですが、これは地震の揺れや重い雪、台風の風などをすべてパソコン上でシミュレーションし、「柱1本、基礎の鉄筋1本に至るまで、絶対に壊れないか」を科学的に証明する非常に精密な計算方法です。
人間ドックで体の隅々まで精密検査をするように、家の隅々まで負荷をチェックする。大切なご家族が何十年も暮らす家だからこそ、私たちは大工さんの勘や経験に頼る「たぶん大丈夫」ではなく、データに基づいた「絶対に大丈夫」と言い切れる設計しかいたしません。
第4回:「夢の間取り」を安全に叶えるための魔法の計算
でも実は、こうした間取りは家のバランスが複雑になるため、簡易的な計算だけで建てるのは非常に危険です。 だからこそ、前回お話しした「許容応力度計算」が必須になります。私たちが構造計算にこだわるのは、お客様の夢を「危ないからダメです」と制限するためではありません。
「お客様の理想の間取りを、最高レベルの安全性で叶えるため」に緻密な計算をするのです。「構造計算をすると制限が増える」と言う会社もありますが、それは逆です。詳細な計算をするからこそ、デザインの良さと大地震に耐え抜く強さを両立できるのです!
第5回:家を根底から支える「基礎」。コンクリートを流すだけじゃダメなんです
現在主流の、地面全体にコンクリートを敷く「ベタ基礎」。一見どれも同じように見えますが、ただコンクリートを流し込めば強くなるわけではありません。 家は、間取りによって「重い場所」と「軽い場所」が全然違います。本来は、その重さに合わせて「ここは鉄筋を太くしよう」「ここはコンクリートの壁を厚くしよう」と、1棟1棟設計を変えなければいけないのです。
マンションなどの巨大な建物を支えるのと同じくらい、緻密な計算が必要なのが「基礎」です。完成すると土に隠れて見えなくなる足元にこそ、ご家族を支える本当の強さが求められます。
第6回:見えなくなる部分だからこそ。業者任せにしない「設計士の責任」
しかし、業者さんが出してくる図面はあくまで「標準的なご提案(案)」です。建物の本当の重さやバランスを一番分かっているのは、家を設計した建築士です。
もし万が一のことが起きた時、「業者さんが引いた図面だから」という言い訳は通用しません。大切なお客様の命をお預かりしている以上、最終的な安全の責任を負うのは私たち設計士です。
だからこそReafは、上物の重さを正確に計算し、基礎や地盤まで一貫して自社で責任を持って設計しています。「誰かがやってくれるだろう」ではなく、私たちが全責任を持ってお守りします。
第7回:構造計算をやる絶大なメリット
実はこれ、お客様にとってものすごく大きなメリットがあるんです! 計算を行うことで、「無駄な外注コスト」を大幅にカット!
さらに、「ここに窓を追加したい」といったご要望にも、その場ですぐに安全性をシミュレーションし直してお答えできます。浮いたお金と時間を、お客様のこだわる設備やインテリアに回すことができるのです。
第8回:「構造計算をして頑丈にすると家が高くなる」はウソ!?
コストが上がってしまう本当の原因は、計算そのものではなく「無理のある間取り」にあります。 例えば、1階と2階の柱の位置がバラバラだったり、構造を無視した複雑な形にしたりすると、2階の重さを支えるために「特別に太くて高価な木材」や「複雑な基礎」が必要になり、結果的に建築費がドカンと跳ね上がってしまいます。
本当に優秀な設計士は、構造計算を駆使して「無理のない美しい骨組み」をつくります。性能を落とさずに、無駄を省いて適正な価格で家を建てる。それがプロの腕の見せ所です!
第9回:無駄を省いて強くなる!Reafの「美しくて強い」間取りのルール
・四隅にしっかり柱が立つ「箱」を組み合わせて家を設計する ・2階の柱の下には、できるだけ1階にも柱を配置して重さをスムーズに地面に逃がす ・基礎が複雑にならないよう、建物の形をシンプルに整える
これらは、決してお客様の自由なデザインを奪うものではありません。不要な太い梁や複雑な基礎をなくし、「構造の無駄(=余計な材料費)」を削ぎ落とすための魔法のルールなのです。強さと安さは、設計の工夫次第でしっかり両立できます!
第10回:大切な家族がずっと安心して暮らせる家を。見えない部分に込める想い
最後にお伝えしたい実例があります。ある30坪のお家で、私たちが間取りと基礎の配置を少し整えた結果……なんと、基礎のコンクリートの壁(立ち上がり)が数十本単位で不要になり、劇的なコストダウンに成功しました!もちろん、最高等級の安全性はキープしたままです。
家は、ご家族の命と幸せな日常を守る場所です。 キッチンや壁紙は後からリフォームで変えられますが、家の骨組みと基礎だけは、建てた後にやり直すことができません。 「何があってもこの家なら大丈夫」。お客様にそう心から安心していただくことこそが、私たちの使命です。
これから家づくりをお考えの方は、ぜひ「間取り」だけでなく「どんな構造で私たちを守ってくれるの?」と、Reafにご相談ください。皆様の理想の家づくりを、最強の構造で全力サポートいたします!長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
4月から建築確認申請が大幅法改正
日本の建築の安全は、建築基準法によって守られています。建築確認は、その安全性を「確認」する役割を担っています。一方で、使い勝手を良くする営繕など、建物本体の安全性に関わらない部分については、建築確認の手続きは不要です。
この記事では、2025年4月の建築基準法改正に向けて、建築確認が必要な工事と不要な工事について改めて確認してみましょう。
建築確認とは?
建築基準法は、建物を使用する人々の安全を守るために、建物の性能や機能に関する基準を定めています。
原則としてすべての建築物を対象に、基準への適合性を審査・検査するために、工事着手前の建築確認や工事完了後の完了検査などの手続きが定められています。
つまり、建築の設計、計画、施工において、建築基準法に適合していることは、工事を行う施主、設計者、工務店すべての関係者の義務ですが、その内容が法に適合していることを行政や審査資格者が「確認」する手続きが「建築確認」なのです。
使用者、所有者、そして近隣地域にとって、建物が安全であり公共の福祉に反しないことを、この手続きによって客観的に示すことができます。
基準を法に定めるということは、その適用範囲も法の中で定められているということです。具体的には、「建築確認」を受ける必要のある建築行為と、そうでない行為があります。
建築基準法第6条第1項では、以下の2つのケースについて、工事着手前に建築確認申請書を提出し、建築主事等の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないと定められています。
* 定められた建築物において
* 建築物を建築しようとする場合、および大規模の修繕もしくは大規模の模様替をしようとする場合
対象となる建築物と建築行為
* 定められた建築物
建築物の種類と規模によって定められています。(建築基準法第6条第1項1号~4号)
* 1号:特殊建築物(劇場、映画館、病院、ホテル、学校、自動車車庫など)、その用途に使用する部分の床面積の合計が200m²を超えるもの
* 2号:木造建築物で、3階建て以上、延べ面積500m²以上、高さ13m超、または軒の高さ9m超のもの
* 3号:木造以外の建築物(鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)で、2階建て以上、または延べ面積200m²以上のもの
* 4号:上記以外の建築物
※ただし、この区分は2025年4月に変更となります。
* 建築行為
* 建築しようとする場合:新築、増築、改築、移転
* 大規模の修繕、または大規模の模様替
「修繕」とは、現状の材料形状のまま劣化したものを同じ形に復旧することです。
「模様替」とは、機能を同じく、または向上させるために、異なる材料形状で施工することです。
それぞれの工事が「大規模」な工事対象であれば、建築確認の対象となります。「大規模」とは、「主要構造部の一種以上について行う過半の」工事を指します。
主要構造部とは、「壁、柱、床、はり、屋根または階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くもの」(建築基準法第2条5号)とされています。
つまり、壁、柱、床、はり、屋根、階段について、それぞれの部分の半分を超える部位について、上記の修繕や模様替を行う場合に建築確認が必要となります。
建築確認が必要な工事・不要な工事の例
* 建築確認が不要な工事:
* 設備の交換・設置工事
* 内装の壁紙の張替
* 床材の張替
* 手すり、腰壁の交換
* 判断が難しい例:
* 屋根の改修で、葺き材のみの改修(スレート→金属板など):大規模の修繕、模様替には該当しない
* 屋根の改修で、既存の屋根の上から新たな葺き材をかぶせるカバー工法:大規模な修繕、模様替には該当しない
* 外壁の改修で、外装材のみの改修、内側からの断熱改修:大規模な修繕、模様替には該当しない(外装材のみの改修で、耐震壁、柱など外壁そのものをすべて改修する場合は該当)
* 外壁に新しい仕上げ材をかぶせる工法:大規模な修繕、模様替には該当しない
まとめ
2025年4月の建築基準法改正前に、基本的な建築確認が必要となる要件を改めて確認しておくことが重要です。
