新潟市や新潟県は、最低気温がマイナス4℃以下になると水道管が凍結しやすくなると呼びかけています。この記事では、冬の凍結対策のなかでも使い方を聞かれることの多い「不凍栓(水抜き栓)」と、見落とされがちなエアコンの室外機・給湯器の凍結について、見附市に本社を置く施工会社の視点でまとめました。水道管全体の凍結対策は「新潟の冬の家対策まとめ」でも解説しています。

不凍栓(水抜き栓)とは|地面の下で水を止める栓

不凍栓は、水道の水を地面の下で止め、地上に出ている部分の管から水を抜いておくための栓です。「水抜き栓」「水落とし」とも呼ばれます。地中の凍らない深さで水を止め、凍りやすい地上の部分を空にしておくことで、管の中の水が凍って膨らみ、管や蛇口を傷めるのを防ぎます。

設置のされ方には、次のような種類があります。

  • 屋外の地面から立ち上がっているもの
  • 室内の床下にあり、床の点検口やハンドルで操作するもの
  • ボタンやスイッチで操作する電動のもの

冷え込みやすい地域の住宅のほか、別荘や、ふだん人が住んでいない家などでも使われています。「家に付いているけれど、使ったことがない」という方も少なくありません。まずは、自宅のどこに、どの種類の栓があるかを確かめておきましょう。

水を抜く手順と、水を出す手順

手順は製品によって違いがありますが、基本的な流れは次のとおりです(札幌市水道局、駒ヶ根市の案内をもとに整理)。ハンドルを回す向きは、本体の「水抜」「通水」などの表示で確かめてください。

水を抜くとき

  1. 家の中の蛇口を閉めます。
  2. 水抜き栓のハンドルを「水抜」の方向へ、止まるまで回します(多くは右回りです)。
  3. 蛇口を開けて、管の中に空気を入れます。空気を入れるための蛇口がある場合は、それも開けます。
  4. 蛇口から水が出なくなったことを確かめてから、蛇口を閉めます。

水を出すとき

  1. 蛇口が閉まっていることを確かめます。
  2. ハンドルを「通水」の方向へ、止まるまで回します(多くは左回りです)。
  3. 蛇口をゆっくり開けます。最初は空気と一緒に水が飛び散ることがあります。

電動の水抜き栓

電動の水抜き栓は、ボタンの操作で水を抜いたり出したりできます。ただし、操作のあとに蛇口の開け閉めが必要なものがあります。停電したときの戻し方も製品ごとに決まっていますので、取扱説明書を手の届くところに置いておくと安心です。

うまく水が抜けていないときのサイン

水抜きは、手順どおりにしたつもりでも、抜け切っていないことがあります。次のようなときは注意が必要です。

  • ハンドルを止まるまで回していない:地中に水が出続ける状態になることがあります(駒ヶ根市)。
  • 蛇口の開け閉めが不完全:管の水が抜け切らず、凍結や破裂の原因になります(札幌市水道局)。
  • 水抜きをしても、蛇口から水が出続ける:栓の内部の部品が傷んでいることがあります。
  • ハンドルが固くて回らない:無理に回すと、栓や管を壊すおそれがあります。

栓が動かない、水が止まらないといった不具合は、お住まいの市町村の指定給水装置工事事業者や、施工会社に修理をご相談ください。水抜き栓は、交換や位置の見直しもできます。

水抜きをしておきたい日と、凍りやすい場所

水抜きをしておきたい日

  • 最低気温がマイナス4℃以下になる予報が出た日(新潟市・新潟県)
  • 帰省や旅行などで、何日か家を空けるとき
  • ふだん人が住んでいない家。空き家では、水道の休止の手続きをしておくことも被害を防ぐ方法です(新潟県)

凍りやすい場所

新潟市や加茂市は、次のような場所の水道管が凍りやすいとしています。

  • 屋外でむき出しになっている管や、保温材が傷んでいる管
  • 北向きや日の当たらない場所、風当たりの強い場所にある管
  • 給湯器の本体と、そのまわりの給水管・給湯管
  • 暖房のない浴室やトイレの蛇口

水抜きができない家では

水抜き栓がない家では、むき出しの管に発泡スチロール製の保温材を巻く、凍結防止ヒーターを付けるといった方法が勧められています。冷え込む夜は、蛇口から鉛筆の芯ほど(約2ミリ)の太さで水を出し続けておくのも凍結防止に有効です(新潟市)。

エアコン室外機の凍結|暖房が止まる原因は「雪」と「氷」

霜取り運転は、故障ではありません

外の気温が低いと、暖房運転中の室外機には霜が付きます。多くのエアコンは、霜がたまると自動で霜を取る運転に切り替わります。そのあいだは暖房が弱まったり止まったりし、室外機から湯気や水が出ることがありますが、故障ではありません。

吹き出し口と吸い込み口を、雪でふさがない

室外機のまわりや上に雪が積もり、空気の通り道がふさがると、暖房の効きが落ちたり、運転が止まったりします。大雪のあとは、室外機の前後と上の雪を取り除いてください。屋根から落ちた雪が室外機に当たる位置にある場合は、雪の重みで本体や配管が傷むこともあります。

室外機の下にできる氷

霜取りで出た水は、室外機の下に流れ出ます。寒い日が続くと、その水が凍って氷が少しずつ積み上がり、室外機の底やファンのあたりまで届くことがあります。氷が大きくなる前に取り除き、水の逃げ道を確保しておきましょう。お湯をかけて溶かすと、流れた水がまた凍るうえ、電気部品を傷めるおそれもあります。

設置のしかたで備える|高さ・位置・防雪フード

毎年のように室外機が雪に埋まる家では、設置のしかたを見直すのが近道です。積雪より高い架台に載せる、屋根からの落雪が当たらない位置に移す、雪が吹き込みにくい防雪フードを付ける、といった方法があります。寒い地域向けの機種を選ぶのも一つの方法です。

給湯器の凍結|冬は電源を切らない

多くの給湯器には、凍結を防ぐためのヒーターなどの機能が付いています。こうした機能は電源が入っていることが前提ですので、冬のあいだは電源プラグを抜かないようにしてください。

給湯器のまわりの給水管・給湯管は、凍りやすい場所の一つです(加茂市)。保温材が傷んでいないか、冬の前に確かめておきましょう。長く家を空けるときは、取扱説明書の手順で給湯器の水を抜いておくのも効果的です。お湯が出なくなったときは、取扱説明書を確かめるか、メーカーや設置した業者に問い合わせてください(新潟市)。

凍結・破裂してしまったら

凍って水が出ないとき

気温が上がって自然に溶けるのを待つのが、いちばん安全です。急ぐ場合は、凍った部分にぬるま湯(約40〜50℃)をかけて溶かします。ドライヤーの温風や、部屋を暖めて待つ方法もあります。熱湯は管を傷めるおそれがあるので使わないでください(新潟市)。

管が破裂したとき

水道メーターのそばにある止水栓を、時計回りに止まるまで回して水を止めます(新潟市)。そのうえで、お住まいの市町村の指定給水装置工事事業者に修理を依頼してください。修理にかかる費用は、お客さまの負担になります(新潟市)。

毎年の凍結を減らすリフォーム

毎年のように同じ場所が凍る家は、その場所のつくりに理由があります。次のような工事で、凍結の起きにくい家に直すことができます。

  • 固くなった、または水が止まらなくなった水抜き栓の交換
  • 屋外でむき出しになっている配管の保温材の巻き直しと、凍結防止ヒーターの取り付け(電気工事をともないます)
  • 凍りやすい場所を通っている配管の経路の見直し
  • 室外機の架台・防雪フードの取り付けや、設置場所の移動
  • 床下や基礎まわりの断熱

家の寒さそのものを減らす工事は「見附市の断熱リフォーム」、窓の結露と寒さの対策は「窓の断熱リフォーム|内窓・樹脂サッシで結露と寒さを止める」にまとめています。

よくある質問

Q. 水抜きは、毎晩したほうがいいですか

毎晩でなくても構いません。最低気温がマイナス4℃以下になる予報の日や、家を空ける日に行うのが目安です。冷え込みの強い地域や、以前に凍ったことのある家では、早めに行うと安心です。

Q. 水抜き栓のハンドルが固くて回りません

無理に回さないでください。栓や管を壊して、水が止まらなくなるおそれがあります。修理や交換は、指定給水装置工事事業者や施工会社にご相談ください。

Q. 水を少し出しておく方法と、水抜きはどちらがよいですか

水抜き栓がある家では、水抜きのほうが確実です。水抜き栓がない家では、保温材や凍結防止ヒーターで管を守り、冷え込む夜は鉛筆の芯ほどの太さで水を出しておく方法が勧められています(新潟市)。

Q. エアコンの室外機から湯気が出ています

暖房中に室外機から湯気や水が出るのは、多くの場合、霜を取る運転によるものです。しばらくすると暖房に戻ります。長く止まったままの場合や、異音がする場合は、取扱説明書を確かめたうえで、メーカーや設置した業者にご相談ください。

Q. 冬の途中でも、凍結対策の工事はできますか

室内側の工事や、配管の保温などは冬でも行えます。ただ、雪や凍結で屋外の作業が難しい日もありますので、気になる箇所は雪が降る前にご相談いただくのが確実です。

まとめ

  • 最低気温がマイナス4℃以下の予報は、凍結に備える合図です。
  • 不凍栓(水抜き栓)は、蛇口を閉めてからハンドルを止まるまで回し、蛇口を開けて空気を入れて水を抜きます。出すときは、蛇口が閉まっていることを確かめてから通水に戻します。
  • ハンドルが固い、水が止まらないといった不具合は、無理をせず修理を相談します。
  • エアコンの室外機は、雪で空気の通り道をふさがないこと、下にできる氷を大きくしないことが大切です。
  • 給湯器は冬のあいだ電源を切らず、まわりの配管の保温を確かめます。

凍結が心配な箇所や、水抜き栓の不具合が気になる方は、雪が降る前にご相談ください。ご相談はお問い合わせページから、LINE・お電話でも承っています。

参考:新潟市「水道管の冬じたく」(2025年12月3日更新)、新潟県「水道管の凍結被害防止の呼びかけ」(2026年1月19日更新)、加茂市「水道管の凍結対策について」、札幌市水道局「水道を凍結させないためには」(2023年12月28日更新)、駒ヶ根市「不凍栓の仕組みと操作方法」(2019年12月3日更新)