「リフォーム済み」と書かれた中古住宅でも、どこを・いつ・誰が・どこまで直したかは物件ごとに違い、見た目では区別がつきません。この記事では、買う前に確かめたい書類、内見で見たい7つの場所、持ち物、総額での比べ方を、見附市で中古住宅の改修をしている施工会社の立場でまとめました。
この記事の内容
「リフォーム済み」の中身は物件ごとに違う
「リフォーム済み」は工事をしたという意味で、工事の範囲までは表していません。壁紙や床、キッチン・浴室の交換が中心の家もあれば、構造・断熱・給排水管・屋根・外壁まで手を入れた家もあります。仕上げが新しくなると下にあるものは見えなくなるため、内見の印象だけでは区別がつきません。
内装と設備の交換が中心でも、構造や配管が健全なら筋の通った直し方です。大切なのは、直してある所と、直していない所を分けて知ることです。直していない所が分かれば、買ったあとの工事を予算に入れられます。
| 工事の例 | その工事で新しくなる所 | その工事だけでは新しくならない所 |
|---|---|---|
| 内装の張り替え | 壁紙・床材・建具の表面 | 壁・床・天井の中の断熱材、床下の土台や下地 |
| 水まわり設備の交換 | キッチン・浴室・トイレ・洗面台の本体 | 床下や壁の中の給水管・排水管、給湯器 |
| 外壁・屋根の塗装 | 表面の塗膜 | 外壁のすき間を埋めるシーリング(打ち替えたかは別に確認)、屋根材の下の防水シート |
不動産広告の業界ルール(不動産の表示に関する公正競争規約施行規則)では、改装や改修をしたことを広告に書くときは、内容と時期を明示することになっています。「リフォーム済み」としか書かれていなければ、不動産会社に聞いてみてください。中古住宅全体の見方は「見附市の中古住宅で後悔しない注意点」にもまとめています。
買う前に書類で確かめる4つのこと
① リフォーム工事の記録(どこを・いつ・誰が・どこまで)
次の書類を見せてもらいます。
- 工事の見積書か契約書(工事の項目と範囲)
- 工事の時期と、施工会社の名前・連絡先
- 工事中の写真(床下や壁の中など、仕上げで隠れた部分)
- 保証書(工事の保証と設備のメーカー保証)、設備の取扱説明書
重要事項説明(契約の前に宅地建物取引士が行う説明)で「保存の有無」が説明される書類は省令で決まっていて(建築確認の確認済証、完了検査の検査済証、建物状況調査の報告書など)、リフォームの見積書や工事写真は含まれません。説明されるのも、基本的に書類があるかないかまでです(国土交通省のQ&A)。別にお願いしておき、記録がない工事は内容が分からないものとして、内見で補います。
② 建物状況調査(インスペクション)の有無と結果
2018年4月から、宅地建物取引業法で次のことが決まっています。
- 不動産会社と結ぶ仲介の契約(媒介契約)の書面に、建物状況調査をする人のあっせんについて書く
- 重要事項説明で、調査の有無と、している場合は結果の概要を説明する(木造の戸建ては調査から1年以内のもの)
- 売買契約の書面に、建物の状況について売主と買主の双方が確認したことを書く
建物状況調査は、国の登録を受けた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、基礎・柱などの構造の主な部分と、屋根・外壁・窓など雨水の浸入を防ぐ部分を、目視や計測で調べるものです。給排水管や設備は対象外(オプションで頼める場合あり)で、欠陥がないことの保証でもありません。結果の概要では、劣化が「有り」の部位と「調査できなかった」部位を確かめます。
調査は買主から頼むこともできます(売主の同意が必要)。国土交通省の手引きでは、時間は1〜3時間程度、費用は6万円程度からが目安です。技術者は「既存住宅状況調査技術者 検索サイト」で探せます。
③ 既存住宅売買瑕疵保険に入っているか、入れるか
既存住宅売買瑕疵保険(瑕疵は欠陥のこと)は、検査と保証がセットになった保険です。引き渡し前の検査で基準に合えば加入でき、引き渡し後に構造の主な部分や雨水の浸入を防ぐ部分で欠陥が見つかったとき、補修費用などが保険から支払われます(一定の免責あり)。新耐震基準に適合しているなどの条件があり、劣化や調べられない部位があると、直したり調べ直したりするまで加入できません。
「保証付き」と書かれていたら、国が指定した保険法人の瑕疵保険か、売主の会社独自の保証か(両者は別のもの)を確かめ、保険証券などで保証する会社・期間・対象を見せてもらいます。
④ 建てた時期と、売主が誰か
- 昭和56年(1981年)6月1日:新耐震基準が施行された日です。建てた時期は確認済証(建築確認の書類)の日付で確かめるのが基本です。登記簿の日付は完成後のものなので、昭和56〜57年ごろの家は確認済証で確かめると確実です。
- 2000年(平成12年)6月:木造住宅の接合部(柱と土台・梁をつなぐ金物)などの仕様が明確になりました。国土交通省は、それより前の新耐震基準の木造住宅について、リフォームなどの機会に接合部などを確かめるよう勧めています。
補強の考え方は「築30〜40年の家の耐震リフォーム」にまとめています。
売主が不動産会社(宅地建物取引業者)のときは、不具合を知らせる期間を「引き渡しから2年以上」とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効です(宅地建物取引業法第40条)。契約書の契約不適合責任(引き渡し後に見つかった不具合への売主の責任)の条項は、契約の前に読んでおきます。
内見で確かめたい7つの場所
内見では、仕上げで隠れやすい所を中心に見ます。床下や小屋裏(屋根裏)は、点検口から顔を入れて懐中電灯で照らせる範囲で十分です(国の建物状況調査の基準でも、床下は主にその程度で調べる想定です)。
① 床下・基礎・土台
- 見る場所:床下点検口(台所の床下収納が入り口になっていることが多い)と、外まわりの基礎。
- 気をつけたいサイン:基礎の幅0.5ミリ以上のひび割れ(0.5ミリのシャープペンシルの芯くらい。建物状況調査でも劣化として調べる基準)や、さびのような茶色い汁がにじむひび。土台や床下の木の黒ずみ・湿り・カビ。基礎をはい上がる土のすじ(蟻道:シロアリの通り道)。水たまりの跡、断熱材の垂れ下がり。
- 確かめ方:写真を撮り、工事の記録でシロアリ予防の処理をした時期と、床下の補修の有無を確かめます。
② 小屋裏・屋根
- 見る場所:小屋裏点検口(押入れや収納の天井などにある)、軒先に近い天井、地上から見える屋根と雨どい。
- 気をつけたいサイン:屋根の下地の板(野地板)やそれを支える木(垂木)のしみ・黒ずみ。断熱材がない・薄い・すき間がある。屋根材のずれ・割れ・さび、雨どいの外れ。
- 確かめ方:工事の記録で、屋根は葺き替えた(屋根材ごと新しくした)のか、塗装だけなのかを確かめます。国土技術政策総合研究所のガイドラインは、化粧スレート(薄い板状の屋根材)の塗装は防水の性能を直す工事ではなく、下の防水シートの傷みは表面から分からないため、小屋裏から下地の板を点検するよう説明しています。
見附市・長岡市・新潟市など雪の降る地域では、屋根の雪がどこに落ちるか(隣の敷地、通路、カーポート、給湯器や室外機の上でないか)と、雪止めの有無も見ます。屋根の雪が解けた水が軒先で凍り、せき止められた水が屋根材のすき間から入り込む雨漏りを「すが漏り(すがもり)」と呼びます。軒先側の天井や壁の上のほうのしみは、その跡のことがあります。
③ 外壁と窓まわりのすき間
- 見る場所:外壁の継ぎ目、窓・換気口・配管のまわり、雪が当たる外壁の下のほう。
- 気をつけたいサイン:すき間を埋めるゴム状の材料(シーリング)のやせ・ひび・はがれ。外壁のひび・反り。室内側の窓まわりのしみ。
- 確かめ方:建物を一周して写真を撮り、工事の記録でシーリングを打ち替えたかを確かめます。塗り替えたばかりの外壁はひびが見えにくいので、塗装前の写真があれば見せてもらいます。
国土技術政策総合研究所のガイドラインでは、シーリングは新築から10年程度でやせ始め、西側や軒の出が小さい壁では傷みが早めに出るとしています。
④ 給排水管・給湯器
- 見る場所:床下の配管、水まわりの床、屋外の給湯器と配管、水抜き栓、水道メーター。
- 気をつけたいサイン:配管まわりのぬれ・さび・水の跡。水まわりの床の沈みや変色。排水の流れの遅さやにおい。屋外の配管の保温材の破れ。
- 確かめ方:工事の記録で、設備の交換だけか、床下や壁の中の配管まで替えたかを確かめます。水が使えるなら、すべての蛇口を閉めて水道メーターのパイロット(水が流れると回る部品)を見ます。回っていれば、メーターから先で漏水している可能性があります(新潟市)。給湯器は本体の表示で製造年を見ます。
灯油の給湯器(石油給湯機)と石油ふろがまは、点検の仕組みが法律で決められた「特定保守製品」です。本体に点検期間の表示があるものは、持ち主になったらメーカーに所有者情報を届け出ます(点検期間を過ぎたものを除く。消費生活用製品安全法)。水抜き栓の使い方や給湯器の凍結対策は「不凍栓(水抜き栓)の使い方と、エアコン室外機・給湯器の凍結対策」をご覧ください。
⑤ 窓と断熱
- 見る場所:窓のガラスと枠、小屋裏と床下の断熱材。
- 気をつけたいサイン:1枚ガラスとアルミの枠のまま。窓まわりの結露の跡(枠の黒ずみ、壁紙のはがれ)。断熱材がない、すき間がある。
- 確かめ方:ガラスの端に、2枚のガラスを隔てる部材(スペーサー)が見えれば複層ガラスです。冬なら、非接触の温度計で窓や外に面した壁、床の表面温度を測り、内側の壁と比べます。工事の記録では、断熱材を入れた工事や、内窓(今の窓の内側に付けるもう一つの窓)の設置や窓の交換の有無を確かめます。
原則としてすべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられたのは、2025年4月以降に着工したものからです(国土交通省)。それより前に建った中古住宅の断熱は、建てた時期とその後の工事によってまちまちです。
⑥ 傾きと建具の開け閉め
- 見る場所:各部屋の床(中央と窓ぎわ)、廊下、柱、ドア・引き戸・窓。
- 気をつけたいサイン:ドアが勝手に開く・閉まる、引き戸と柱のすき間が上と下で違う、鍵がかけにくい。ドアや窓の角から斜めに入る壁紙のしわ、床の沈み。
- 確かめ方:スマートフォンの水平器アプリで数か所を測り、同じ向きに傾いていないかを見ます。建物状況調査の基準では、床(3メートル程度離れた2点の間)や柱の傾きが1000分の6以上(1メートルあたり6ミリ、角度で約0.34度)を劣化として調べます。アプリは目安にとどめ、気になる数字が出たら専門家にレーザー水平器などで測ってもらいましょう。
屋根に雪が多く載ると建具の動きが重くなることがあり、新潟県も、ふすまや障子の開け閉めが重くなることを木造住宅の雪下ろしの目安として案内しています。冬に内見したら、雪のない時期にも確かめると区別しやすくなります。
⑦ 電気(分電盤)
- 見る場所:分電盤(ブレーカーが並んだ箱。壁の高い所に付いている)、コンセントとスイッチ。
- 気をつけたいサイン:回路(小さなブレーカー)の数が少ない。漏電したときに電気を止める装置(漏電遮断器。テストボタンが付いている)が見当たらない。コンセントの焦げ跡やぐらつき。エアコンを置く部屋に専用のコンセントがない。
- 確かめ方:扉を開けて見える表示(いちばん大きなブレーカーのアンペア数、回路の名前)を写真に撮ります。内側のカバーは外しません。工事の記録では、配線を引き直したのか、スイッチやコンセントの器具だけ替えたのかを確かめます。IHクッキングヒーターなどを使う予定があれば、足りるかを施工会社や電気工事店に見てもらいましょう。
内見の持ち物と、先に頼んでおくこと
持ち物
- 懐中電灯(点検口の中や収納の奥を照らす)
- メジャー(窓の大きさや、家具が入るかを測る)
- スマートフォン(写真、水平器アプリ)
- できれば非接触の温度計(窓や壁の表面温度を測る)
- 間取り図のコピーと筆記具(気づいたことを場所ごとに書き込む)
- 軍手と、汚れてもよい服
不動産会社に先に頼んでおくこと
- 床下点検口と小屋裏点検口を開けて見せてほしいこと(場所と、上に物が置かれていないか)
- 写真を撮ってよいか
- 水を出す、排水を流す、給湯器を動かすことができるか(空き家なら、電気と水道が使えるか)
- リフォームの記録、建物状況調査の結果、保険の書類の写し
- 施工会社が同行してよいか
雨のあとや冬にも見られると、雨のしみや結露、雪の落ち方が分かります。
「物件価格+必要な工事」の総額で比べる
リフォーム済みの家と手を入れていない家は、物件価格に買ったあとの工事を足した総額で比べます。分かったことを次のように書き出すと整理できます。
| 書き出すこと | 中身 |
|---|---|
| 直してある所 | 記録で確かめられた工事(場所・時期・施工会社・保証の有無) |
| 直していない所 | 記録に出てこない構造・屋根・外壁・配管・断熱・電気 |
| 分からない所 | 点検口がない所、家具や雪で見えなかった所 |
| 必要な工事と概算 | 直していない所・分からない所のうち、構造と雨・水に関わる所から見積もる |
| 総額 | 物件価格+必要な工事+諸費用 |
内装を新しくしたばかりの家でも、断熱や配管の工事をするなら新しい壁紙や床をいったんはがすことになり、その分も工事費に入ります。費用の目安は「見附市の中古住宅リフォーム費用|相場と総額シミュレーション」、契約までの流れは「中古住宅購入の流れ」をご覧ください。
どの工事が必要かは、施工会社に現地を見てもらうと判断しやすくなります(理由は「中古住宅を買う前に施工会社へ相談すべき理由」)。当社の購入前の無料診断(現地確認60〜90分)では、窓・床下・外壁・屋根・水まわりを簡易的にチェックし、断熱・耐震・追加費用のリスクと、使える補助金の対象をご説明します。宅地建物取引業法の建物状況調査や、瑕疵保険の検査とは別のものです。
よくある質問
Q. リフォーム済みなら、買ったあとの工事は要りませんか
物件によります。内装と設備の交換が中心なら、構造や配管、屋根・外壁、断熱には手を入れていないことがあります。「直していない所」を書き出し、その状態を見てから、要る工事と要らない工事を分けて判断します。
Q. 「インスペクション済み」と書いてあれば安心ですか
調べた範囲と日付を確かめてください。宅地建物取引業法の建物状況調査でも、給排水管や設備は対象外で、欠陥がないことの保証ではありません。「ホームインスペクション」「住宅診断」など別の名前の調査は、サービスごとに内容が違います(国土交通省のQ&A)。報告書と写真を見せてもらい、「調査できなかった」部位があるかも確かめます。
Q. 床下や小屋裏の点検口がない物件は、どう考えればいいですか
建物状況調査でも、点検口がない所や動かせない家具で隠れた所は「調査できなかった」と記録されます。見られない所は状態が分からないものとして、直す費用を見込んで総額を比べます。売主の同意を得て、専門家に詳しく調べてもらう方法もあります。
Q. 冬に内見しても大丈夫ですか
冬は、結露やすきま風、雪の落ち方、すが漏りの跡など、この時期にしか分からないことを確かめられます。一方で、屋根や外まわりの基礎は雪で見えないことがあります(建物状況調査でも、雪や雨で目視できない所は「調査できなかった」とされます)。雪が解けてから外まわりを見られるか、契約の前に相談してみてください。
まとめ
- 「リフォーム済み」の範囲は物件ごとに違う。直してある所と、直していない所を分けて知る
- 書類では、工事の記録、建物状況調査の結果、瑕疵保険の有無、建てた時期と売主を確かめる
- 内見では、床下・基礎、小屋裏・屋根、外壁のすき間、給排水管・給湯器、窓と断熱、傾きと建具、分電盤の7つを見る
- 雪の降る地域では、雪の落ちる先、すが漏りの跡、凍結対策もあわせて見る
- 物件価格に必要な工事を足した総額で、ほかの物件と比べてから決める
気になる「リフォーム済み」の物件があれば、契約の前にご相談ください。購入前の無料診断には、新築住宅の施工管理を29年・300棟以上担当してきた代表の坂上が伺います。見附市に本社を置き、本社から車で約1時間の範囲でお受けしています(対応エリアの一覧は会社概要)。ご相談はお問い合わせページから、LINE・お電話(0258-88-9722、毎日9:00〜18:00)でも承っています。
参考:宅地建物取引業法・同法施行規則(e-Gov法令検索)/建物状況調査(インスペクション)活用の手引き(国土交通省、令和6年4月)/改正宅地建物取引業法に関するQ&A(国土交通省、令和6年4月改訂)/既存住宅状況調査方法基準の解説(国土交通省、令和6年10月)/既存住宅状況調査技術者 検索サイト(住宅リフォーム推進協議会)/既存住宅売買瑕疵保険(宅建業者販売タイプ)(国土交通省)/既存住宅売買瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険協会)/新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表について(国土交通省、平成29年5月)/新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(日本建築防災協会)/木造の継手及び仕口の構造方法を定める件(平成12年建設省告示第1460号)/着工時期の確認方法(長期優良住宅化リフォーム推進事業Q&A)/不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則(不動産公正取引協議会連合会)/木造住宅の長期使用に向けた屋根、外壁、床下のメンテナンスガイドライン(国土技術政策総合研究所)/水漏れ(漏水)について(新潟市)/消費生活用製品安全法・同法施行令(e-Gov法令検索)/2025年4月から全ての新築で省エネ基準適合を義務化(国土交通省)/速やかな住宅・建築物の屋根雪下ろしを心掛けましょう(新潟県、2026年2月3日更新)/民法(e-Gov法令検索)
